特定非営利活動法人(NPO)和歌山IT教育機構は、和歌山県民のみなさんが、情報やデータの扱いをもっと日々の生活に活かせるようにお手伝いすることを目的として、2004年5月に設立されました。
設立の経緯をご説明しますと、それまでに紀南地域で中高生を主対象にIT(情報技術)研修を行ってきた「田辺ソフトウェアクラブ」、ソフトウェアコンテストを通してITスキル向上を図ってきた「和歌山情報サービス産業協会(WAKASA)」、小学生向けにIT教育を浸透させてきたボランティアグループという3つの流れが合流し、そこへさらに和歌山大学システム工学部に所属するメンバが学術・技術面での支援をすることによって成立した、特徴あるNPO法人です。
設立当時は工業化から情報化への移行が完了しつつある時でした。それから15年以上を経た今(この挨拶は2020年執筆です)は、情報からさらに「データ」とそれを扱う人工知能(AI)へと焦点が移っています。しかし日本はそもそも、工業化においては相当な強みを発揮して Japan as No.1 といわれた後、「失われた10年」(1990年代)が20年,30年になっているようでもあります。実は日本は情報化には弱いのかもしれせん。
さて、どうしましょうか。世界の趨勢にあわせるか、日本独自の(例えば「阿吽の呼吸」のような…それも情報通信の一種)路線を打ち出すか。いずれにせよ、和歌山には(少なくとも中世には)高野山,粉河,根来,雑賀衆,熊野三山など、日本の中枢とは違う精神がありそうで、当機構としてIT教育にもその火をもう一度燃やしてみたい気がします。
理事長 鯵坂 恒夫